俺様彼氏の甘い罠
その場に居た生徒はすぐに
走ってどこかへ行って、
会長はパッと手を離した。
「 さぁ、どうしようか?澪ちゃん 」
目を細めた彼は私より先に
玄関へ入って、私はそのまま
その場から動けずに
自分のバカさ加減にイラついていた。
泣くのはもうやめよう、って
昨日先生と約束した。
だからもう泣かない。
今まで私は、悲しいんだと思ってた。
先生じゃない人に触れられて
キスされて、辛いんだと思ってた。
だけど、違った。
──────────────怒ってたんだ。