俺様彼氏の甘い罠
そう考え出すと止まらなくて
さっきまで平気だったのに
体の震えが止まらなくて、
泣かないって決めたのに
零れそうなくらい目に涙が
溜まっていた。
「 ・・・・・・こら、澪 」
それを見た先生がすっと手を出して
おいで、って手招きする。
ここは学校で、玄関で、
目の前には会長が居て、
いつ人が来るか分からなくて。
「 泣かないって約束だろ 」
「 な、泣いてないです・・ 」
「 嘘つけ。泣いてる 」
先生の腕の中に行きたい。
だけど状況的に絶対にだめで、
ぐるぐるとそんなことを考えていたら
私の腕を先生が引っ張って、抱き寄せた。
指先で目に溜まっていた涙を拭って
”ほら、泣いてる”って小さく笑うと
チュッ、と触れるだけのキスをされた。