俺様彼氏の甘い罠
現にこうしてバレて、
私たちはもう一緒に
居られないかもしれない。
「 速水 」
「 なんですか? 」
「 バラしたいならバラせばいい。
その”一瞬だけ”離れてやる 」
「 ・・・は? 」
学祭の日、先生と保健室で
話した”もしもの話”を思い出した。
・・・何があっても手放さねーよ。
そのために離れることが必要なら
一瞬だけ離れてやる──────
「 まぁ、まず澪は居なくなるけど。
退学か転校になるだろうな 」
「 なっ・・・・ 」
「 なぁ、速水 」
未だに目元を覆われていて
会長の表情は分からない。
少し焦ったような声と、
からかうような笑いを含んだ
先生の声が聞こえるだけだった。