俺様彼氏の甘い罠




─────────ガラッ




「 席に着け 」




ザワついていた教室内が
静まり返って、生徒が席に戻っていく。




もう既に涙ぐんでいる子が居て
私もつられて泣きそうになっていた。




そんな中で、最後のHRが始まった。




「 1年、早かったな 」




出席簿に目を落として、ボソッと
先生がそう言うと、何人かは
大きく頷いていた。




私も、その中の1人。




「 お前ら、悔いはないか?
  高校生活は今日で最後だ。
  したいことができるのも
  今日が最後だ。分かってるか? 」




1人1人と目を合わせながら
ゆっくり話す先生はなんだか寂しそうで、
それだけでも泣きそうなのに
周りが泣きじゃくっているせいで
気を抜いたら涙が溢れ出しそうだった。




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