俺様彼氏の甘い罠
「 泣くなよ、澪 」
「 ・・・・ッ 」
「 お前は帰ってから
俺が泣かすから、
今は我慢しろ、な? 」
そんな無茶苦茶な言葉にさえ
頷いてしまうほどに私の思考は
おかしくなっていて、
先生が袖で目に溜まっていた涙を
拭った後、教卓の方へと戻って行った。
最後の最後まで私たちは人には
言えない関係だった。
学校で会話するときは自然と
声が小さくなったり、
人がいないか一々確認したり、
普通の高校生がする恋愛じゃなくて、
全然、理想の恋とは違ったけど・・・
「 澪、頑張ってるね 」
「 だって、泣くなって・・・! 」
「 先生、意地悪だね~ 」
それでもやっぱり、先生しか
ありえないってくらいに
私は先生が好き。
出会ったときは本当に何も知らなくて、
ただただ見てるだけだった。
運命みたいに再会して、
本当にここまでが大変だった。