俺様彼氏の甘い罠
「 ほら、行こう? 」
視線が全身に突き刺さって
すごく痛い。
”どうしよう”って
それだけが頭の中を巡って
だけど答えなんて見つからなくて。
遠まわしにも断れなくて、
”行けません”とも言えなくて、
・・・・・・・・・どうしよう。
「 ・・・きゃっ 」
「 行くよ、澪 」
この学校のキングは
強引で、それでいて
プライドが高い。
恥をかかせちゃだめで
だけどきっと断ることが
恥をかかせることで。
掴まれたままだった手を引っ張られて
立たされて、ひざ掛けが床に落ちてしまった。
「 これ以上、待たないよ 」
それを拾おうと屈んだ私の手を
再度引っ張って、彼は歩き出した。