俺様彼氏の甘い罠
「 澪、可愛いじゃん! 」
9月半ば、学祭の季節。
女子更衣室の奥の奥に
私は居た。
「 ほらっ!早く! 」
「 ・・・やだ・・ 」
「 もう交代の子来ちゃうよ~ 」
もう、って溜息交じりの声に
ビクッ、と肩を上げた。
「 ほら、立って? 」
「 やだぁ・・・ 」
泣きそうになって結花ちゃんを
見上げれば、少し顔を赤らめて
腕を引っ張られた。
「 わっ・・・・ 」
「 澪、すっごく可愛いから。
大丈夫だから行っておいで! 」
トンッと背中を押されて
更衣室のドアが開く。
振り返ったらもうドアは閉まっていた。