俺様彼氏の甘い罠




「 ・・・なぁ、澪 」


「 ?・・・はい 」


「 お前、”これ”好きなの? 」




お互い腕の力は緩めないから
少し息が苦しい。




けど先生とこうしていると
落ち着くし、・・・すごく好き。




「 ・・・・これ? 」


「 ハグ 」


「 ・・・・好き 」




全身に響く鼓動が心地良くて、
全身を包み込む温度が好き。




私がそう答えたら、
ふーん、って先生の気のない返事が
保健室に響き渡った。




「 なんか、保健室で隠れて
  会ってるみたいだな 」


「 ・・・そうですか? 」


「 いや、だって教室じゃできないだろ 」


「 ・・・あ、そっか・・・ 」




今日はやたらと校舎内で先生と
話せてるから、そんな感じが
全くしてなくて、だけどそう考えると
今”こう”してるのは・・・マズい気がする。




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