俺様彼氏の甘い罠
「 折角してもらったメイクが
落ちてるぞ、澪 」
「 ・・・だって・・・ 」
先生なりに気遣ったのか
メイクが落ちないように
そっと指先で涙を拭った。
小さく笑う先生を見上げて
また泣きそうになったけど
今度こそ唇を噛んで堪えた。
「 もしも”その時”が来たら
俺が絶対にお前を守るから 」
心配するな、って
髪を撫でながらそう言われた。
「 ・・・・・嫌です 」
「 何で? 」
「 離れたくない・・・ 」
私を庇って学校をやめるなら、
私は先生を庇って学校をやめる。
それで離れなくて済むなら、
私はそっちの方が100倍いい。