俺様彼氏の甘い罠




「 折角してもらったメイクが
  落ちてるぞ、澪 」


「 ・・・だって・・・ 」




先生なりに気遣ったのか
メイクが落ちないように
そっと指先で涙を拭った。




小さく笑う先生を見上げて
また泣きそうになったけど
今度こそ唇を噛んで堪えた。




「 もしも”その時”が来たら
  俺が絶対にお前を守るから 」




心配するな、って
髪を撫でながらそう言われた。




「 ・・・・・嫌です 」


「 何で? 」


「 離れたくない・・・ 」




私を庇って学校をやめるなら、
私は先生を庇って学校をやめる。




それで離れなくて済むなら、
私はそっちの方が100倍いい。




< 37 / 231 >

この作品をシェア

pagetop