俺様彼氏の甘い罠
「 前山にフォロー頼んでおくから
お前は1人でテーブルにつくな。
すぐに連れ出されて追いかけるのが
大変そうだから 」
「 ・・・・はい・・・ 」
「 あぁ、あと・・・ 」
もうこの階段を今日何度
下りて上ったか分からない。
何度ここに来ても何でか
人がいないのは不思議だった。
「 これ、”もう”離すなよ 」
「 ・・・ごめんなさい 」
「 俺は担任だから一応
教室には居れるけど
席外すときもあるから、
・・・・まじで、気をつけろ 」
さっき落としてきたひざ掛けを
また肩からかけられて、
温かくて、嬉しくなった。
教室の手前で先生に”気、抜くなよ”って
背中を押されて、驚いて顔を上げたら
泣きそうな顔した結花ちゃんに
抱きしめられた。
「 連れ出されたんでしょ!?
それにメイク落ちてるし・・・
何かされたの?大丈夫? 」
結花ちゃんはすぐに足の怪我に
気付いてくれて、先生みたいに
私を支えながら更衣室に
連れて行ってくれた。