俺様彼氏の甘い罠




「 ・・・なんて顔してんだ 」




第2校舎に続く渡り廊下で
先生に声をかけられた。




”緩みすぎ”って頭を小突かれて、
へらっと笑って返したら
苦笑した先生は溜息混じりに
早く行くぞ、って私の背中を押した。




「 なぁ、高坂 」


「 なんですか? 」




第2校舎に入って、書庫のある
図書室に向かっている途中で
先生が突然立ち止まって、
ゆっくり振り返った。




「 お前、真剣に考えてる? 」


「 ・・・進路、ですか? 」


「 自惚れみたいで嫌なんだけど
  なんとなく考えてることが
  分かるんだよ、お前見てると 」




”自惚れみたいで嫌なんだけど”って
また付け足して、先生は前を向いた。
先生の背中を追いかけて歩きながら
首を傾げて、




・・・そんなに、顔に出てるかな。




って緩んだ頬に触れて、
・・・これは仕方ない。と
先生の言っていることが少し分かった。




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