俺様彼氏の甘い罠




「 早く入れ 」


「 はーい 」




みんなの目の前で
この人は私の彼氏なんですって
自慢したいくらいにかっこよくて、




・・・・大好きで。




「 ・・・ほら、また緩んでる 」




頬に触れた手は、さっきみたいに
抓らないで添えているだけ。




狭い書庫の窓とカーテンを閉めて
ドアも閉めて、学校の中で唯一
名前呼び合える部屋だから、
少しだけ触れ合えたりもできる。




「 進路調査の紙にも、就職でも進学でもない
  ”その他”に丸つけてたけど・・・ 」


「 ・・・あ、あれは・・・ 」




あの時こそ浮かれていたから
”先生のお嫁さん”だとか
”専業主婦”だとか・・・




そんなことを考えていたら
自然と手が勝手に・・・・。




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