私の彼氏はかっこよくない

ひさしぶりに聞いた太一の大きな声は、ショックな言葉だった。

「なんでよ！こっちは心配してるんだがらその口のきき方はないでしょ！」

ついつい強い口調であたってしまった。

太一は少し黙ったあと歩きだしてしまった。

「ねぇ！ちょっとまってよ太一！これからあんたどーすんの？！このまま家戻んなくていいの？」

「・・・・・・・なんなんだよ！俺とおまえはもう・・・もういとこでもないだろ！血がつながってないんだし。親戚でも何でもないだろ・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

言葉が出なかった。

太一があんな悲しい顔するから。

さっきまで平気なふりしてたくせに！

なんでいまさら強がったりするんだよ！馬鹿太一！！！

そんなこと考えてるうちに太一の姿はもう見えなくなっていた。

それ以来、太一とあたしは顔をあわせることも、話すこともいっさいなくなった。



それから少したって、おじさんとおばさんは離婚し、太一はおばさんについていきあたしの家から少し離れたアパートに住んでいるということをお母さんに聞いた。