青春ガール
「愛美ーどんまい」
「だよねーあたしクラス
まとめられるかな」
「いや、そうじゃなくて」
「え?」
「いや、なんでもない」
「今日、名簿作るんだって」
「ふーん。あ、月島とだよね」
「うん。近くでみると
すごい、かっこいいよ」
「だろーね。みんな言ってたよ」
「なんて?」
「美男美女だぁーって」
「いやいやいや、あたしは
違うからね」
「…ったく…」

ー放課後ー

「月島君、帰っていいよ」
「は?」
「名簿くらい作らせて!
あたし、こう見えても器用で!」
「いや、学級委員の仕事だろ」
「いやいや、あたし
クラスうまくまとめられないし
これから月島君のこといっぱい
頼ってしまうと思われる!」

ーん?おかしかったかなー
「…」

直人は黙った。

直人は、正直こんなにも

純粋な子に会ったのが初めてで

驚いていた。

「いや、却下。俺も手伝う」
「ありがとうー」

愛美は笑顔になった。

「あんたっていじわるかっ」
「いや、あの…ごめん」
「…ったく…ハハッ」

愛美の笑顔に

心を奪われたのだった。

それでも、愛美のことだから

全く気付かない。


< 8 / 15 >

この作品をシェア

pagetop