恋の方程式
「翔、俺も情けないと思うよ。」
淕もこう言って、瀧後を追った。
「翔、これでいいのですか?このままだと、取り返しのつかないことになりますよ。俺も何とかして、雪乃さんを探します。」
蓮も、探しに出た。
「翔、黙ってないでなんか言ったらどうだ?お前が傷ついたのはよく分かる。だが、雪乃ちゃんもそれなりに傷ついてるんだ。別に、俺たちはお前を責めてるわけじゃない。ただ、お前はこのままでいいのか?お前の意志は?お前は、どうしたいんだ?」
「俺は・・・雪乃に酷い事を言った。」
「それがどうした。それは、もう過去の過ちだ。過去は過去だ。今は今だ。今を大切にしろ。」
「分かってる。それぐらい。過去は取り返せないことぐらい。身に染みるぐらいな。」
「じゃあ、行動に移せよ!!」
「また、雪乃を傷つけたら?また、雪乃を失ったら?俺は、耐えられない・・・。」
「お前・・・、本気で雪乃ちゃんの事好きなんだな。」
「・・・。」
「それなら、その気持ちを素直に話せばいいじゃないか。」
「それが、出来たら苦労しないよ・・・。俺は、怖いんだ・・・。本当に情けないな・・・。」
「・・・。俺は、今の翔の姿嫌いだよ。いつまでもうじうじしちゃって。はっきりしなよ!!そんなんだったら、俺が雪乃貰うから。」
「・・・!!」
侑は裏の自分を出して、雪乃を探しに行った。
「俺だって、探したいよ・・・。」
翔は、みんなから情けないと言われたけど、動こうとはしなかった。
迷っていたんだ。
このまま、心のままに動いてまた、雪乃を傷つけたら?
それなら、動かずにあいつらに任せたほうが、いい。