恋の方程式
好きだって、気づいたから。
大切な人だって気づいたから。
「おばあちゃん、私行くね。」
「決まったんじゃな。雪乃ちゃんの好きなようにしなさい。」
「今まで、短い間だったけどありがとう。」
私は、感謝の気持ちを込めておばあちゃんを抱きしめた。
「渉。」
「行くのか?」
「うん。ごめんね?」
「謝るな。俺が惨めになる。」
「そうだね。また、こっちに戻ってくるから、その時は仲良くしてね。」
「ああ。待ってるから。」
「うん。」
これで、よかったんだよね?
渉には、本当に悪いことをした。
慰めてくれたし、一緒に居てくれた。
なのに、こんな形でしか恩返しができなくてごめんね。
また、会う日まで・・・。
傍にいてくれて、ありがとう。