恋の方程式
「ねえ、見て翔。あの子変だよ?」

最初にあいつを見つけたのは、侑だった。

「どいつ?」


「あの子。掲示板の前で考え事してる子。」


「?」

あいつか…
確かに変だ。普通の女なら、こいつ等みたいに叫ぶはずなのに、
あいつは、叫びもしず、こっちも見ない。
あんな奴初めてだ。


「確かに変だな。」


「だれがですが?」

「「誰々??」」


どうやら、みんな興味津々みたいだ。こいつ等、今まで女に興味なかったのに…


「僕たちと同じクラスだよ。」


「そうですか…」


「「どんな子だろうね。」」


俺も気になる。なぜ俺たちを見ない。
別にルックスに自信があるわけじゃない。
でも、今までの女なら振り向くはずだ。


ふっ、面白そうだな。
どうやら、うるさいばかりの高校生活にはならないようだ。


「おい。」

俺は、みんなにゲームを持ちかけた。




この時俺は、間違っていたんだ。
こんな事しなければ、あいつを失わずに済んだかもしれない。
この時の俺には分からなかった。ただ、面白かったからやった。


「ゲームをしようぜ。」
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