我が道をゆく
はっきり言おう。
――何て胡散臭い連中だ。
生徒会長は金髪だし、副会長はメガネが銀でチャラ男が紫に赤メッシュだし、会計は青いし。
唯一まともな書記も他の役員同様、その耳に大量のピアスを光らせている。
――暴走族『ブルー・バード』――青い鳥。
無闇に喧嘩を売ることはせず、ただその強さによって周囲を圧倒する。
義賊のようなその行動を崇拝する人たちが、幸せを運ぶ青い鳥にちなんでつけたらしいそのチーム名は、瞬く間に広まり、今じゃ知らない人はいないと言われている。
――と。
なぜこの族の説明をしたのか。
もちろん、それが彼らに関係しているからである。
では、なぜ関係しているのか?
――それは。彼らこそが、青い鳥の総長、副総長、そして幹部たちだからである。
しかも奴らの家は、所謂“資産家”であり、あの中の何人かは将来の跡取りとされている。
私からすれば美形で生徒会役員で暴走族でおまけに金持ちって、んなアホな。と言った感じなのだが、他は違うらしい。
顔よし、頭よし、おまけに将来有望な彼らは、男女問わず生徒の人気者である。
……あの「俺たちモテてるぜー言い寄ってくるメス共鬱陶しいぜー」って雰囲気が、私はどうも気に入らないけど。
ま、能力が高いのは素晴らしいことだがね。
すでに教室の前を通り過ぎた彼らと、それを取り巻く騒音に一息ついていると、担任の先生が入ってきた。
時計を見ると、もう朝のSHRが始まる時間である。