風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
6.嘘と真実
Act1.
「またいらして下さいね。旦那様も喜びます。」
終始にこやかに笑う川辺さんに見送られ、私たちは屋敷のエントランスにいた。
「じゃあ、また。
川辺も身体に気をつけて。もう若くないんだから。」
そう言って、彼は一瞬労わる様な顔を見せる。
初めて見る横顔。
あんな顔もするんだ。
なんか新鮮。
「薫、帰るぞ。」
私がその声で我に返ると、さっきまでいた私の隣に彼はいない。
「薫?」
もう一度呼ばれて声のする方を振り向くと、彼は玄関のドアを開けて私を待っていた。
慌てて川辺さんに軽く会釈をし、彼の後を追う。
そして、彼の開けてくれたドアから先に外にでた。
一歩足を踏み出すと、夕焼けに染まったオレンジ色の空と少し冷たくなった風が私を迎える。
その冷たい風が、私にはとても心地よく感じた。
「う~~~ん。」
私は大きな背伸びをする。
終始にこやかに笑う川辺さんに見送られ、私たちは屋敷のエントランスにいた。
「じゃあ、また。
川辺も身体に気をつけて。もう若くないんだから。」
そう言って、彼は一瞬労わる様な顔を見せる。
初めて見る横顔。
あんな顔もするんだ。
なんか新鮮。
「薫、帰るぞ。」
私がその声で我に返ると、さっきまでいた私の隣に彼はいない。
「薫?」
もう一度呼ばれて声のする方を振り向くと、彼は玄関のドアを開けて私を待っていた。
慌てて川辺さんに軽く会釈をし、彼の後を追う。
そして、彼の開けてくれたドアから先に外にでた。
一歩足を踏み出すと、夕焼けに染まったオレンジ色の空と少し冷たくなった風が私を迎える。
その冷たい風が、私にはとても心地よく感じた。
「う~~~ん。」
私は大きな背伸びをする。