風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
終わったんだ・・・・・・。
ほっとした気持ちと、寂しい気持ちが半分半分。
不思議、初めはあんなに早く終われって思ってたのに。
今は少しでも長く続けば良いのにって思ってる。
急に体の力が抜けた。
一歩足を踏み出すと、私はつまづいてよろめいてしまった。
すかさず力強い腕が私を背後から支える。
「おい、大丈夫か?」
耳元で彼の声がして、私はドキッとした。
自然と身体が反応する。
そんな自分が恥ずかしい。
「大丈夫です・・・思ってた以上に緊張してたみたい。」
私は背後の彼を振り向き、力なく笑った。
「そうか・・・。」
それだけ言って、彼は黙ってしまった。