風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~

Act3.

「あの・・・、すみません送ってもらって。家逆方向なのに。」

彼女はひたすら恐縮する。

車に乗せるだけで、一苦労。

やっとの事説得して(いや、半ば強引に)、今に至る。

「そんな事気にしなくて良い。
それより、いつも君はこんな時間に帰宅するのか?」

こんな夜中に夜道を1人で帰るのだろうか?

「いえ、今日は特別です。トラブル発生して。
いつもは・・・もう少し早いです。」

「そうか・・・。」

そこで長い沈黙が流れる。



以前から感じていた。

俺は彼女に嫌われているんじゃないだろうか、と。



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