風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~

・・・え・・・嘘・・・それって・・・。

「だから、薫が謝る必要はないんだ。」

信じられなかった。

それは思ってもみない彼の言葉。

胸の奥底が熱くなるのを感じる。


「薫、止めてくれ。」

彼にそう言われて私は我に返る。

いつの間にか私の手は彼へと伸びていた。

彼の身体が強張っているのを肌で感じる。

「駄目だ。俺に触るな。」

だけど、私はその手を放さない。

「薫・・・?。」

彼は戸惑っている様だった。

きっと、私の真意が掴めなくて。

「俺が何を言ったのか分かっているのか?
俺は君を抱くと言ったんだぞ。」

私は小さく頷いた。


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