風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
「我慢しなくて良い、俺に薫の感じてる声聞かせて。」

そんな私を見て彼はそう言い、口許にある私の手を取り掌にキスをした。

そして、代わりに私の唇を自分の指でなぞる。

同時に彼の視線が私の唇に注がれ。

やがて、吸い寄せられるかのように彼の唇が私の唇に触れ、再び口づけへと変わった。

そのままゆっくりと私をベッドに寝かせた彼は、自分も上着を脱ぐ。

鍛え上げられた胸元。

思わず私は見惚れる。

「そんな目で見るな、我慢できなくなる。」

その言葉に急に恥ずかしくなった。

顔が赤くなるのを感じる。

そして、咄嗟に彼から身体を逸らした。

だけど、それを許してくれる筈もなくて。

直ぐに腕を取られて正面に戻される。

「言っただろう、もう止められない。」

そう言う彼の目にも、興奮の色が見えていた。

彼もまた、私に感じてくれている。


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