風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
「ほう、それでお前は毎晩違う女を連れ回している訳か?」

祖父はそう言うと、俺に冷たい視線を投げかける。

「人聞きの悪い事を言わないで下さい。
俺はそんな事していない。」

そんなことを言われるのは侵害だ。

いくら祖父でもそこまで言われる筋合いはない。


「では、ドアの外にいる女性は何だ?
自分の家にまで連れてきおって。」


しまった!!

すっかり頭に血が上って、大切なことを忘れていた。


俺はすぐにリビングのドアの前に駆け寄る。

扉が少し開いていることに気付いた。

しかし、そっと開けた扉の向うには誰の姿もなかった。

だが、確かに先ほどまで誰かがいた気配がする。

辺りを観察すると、廊下の曲がった先に誰かのいる気配を感じた。

俺はゆっくりとそこに向かう。

そこには、俺の顔を見て驚く彼女の姿があった。


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