風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
1.始まりは偶然に
Act1.
「専務、本日午後1時から会長との会食が入っております。
お忘れなき様願います。」
顔色1つ変えない秘書の田所が淡々と今日の予定を読み上げていく。
「・・・とうとう最終手段に出たか、あのくそ爺。
勘弁してくれ、どうせ碌な話じゃない。」
小さな声で俺は悪態を突いた。
自分の顔が引きつるのがわかる。
「その様な言動はお控え下さい。
でないと、外でもぼろが出ますよ。」
やはり顔色1つ変えず、田所は俺をたしなめた。
だが彼のその態度に、俺が不機嫌になることはない。
何故なら彼がそういう人間だと、俺は知っている。
昔からこいつは笑わない。
だが、このいつもの鉄面皮が怒っている訳ではない事を俺は知っている。
これがこいつの普通の顔だ。
「それは申し訳ない。以後気を付ける。」
俺は素直に謝罪した。
お忘れなき様願います。」
顔色1つ変えない秘書の田所が淡々と今日の予定を読み上げていく。
「・・・とうとう最終手段に出たか、あのくそ爺。
勘弁してくれ、どうせ碌な話じゃない。」
小さな声で俺は悪態を突いた。
自分の顔が引きつるのがわかる。
「その様な言動はお控え下さい。
でないと、外でもぼろが出ますよ。」
やはり顔色1つ変えず、田所は俺をたしなめた。
だが彼のその態度に、俺が不機嫌になることはない。
何故なら彼がそういう人間だと、俺は知っている。
昔からこいつは笑わない。
だが、このいつもの鉄面皮が怒っている訳ではない事を俺は知っている。
これがこいつの普通の顔だ。
「それは申し訳ない。以後気を付ける。」
俺は素直に謝罪した。