風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
「・・・。」


暫しの沈黙。


「そんなに驚くな、俺だって素直に謝ることはある。」

俺が素直に謝るのがそんなに珍しいか?

「・・・左様ですか。失礼致しました。」

やはり驚いてたのか。


俺は、そっと息を抜いた。

最近、やっとこの日常にも慣れてきた。


「もう半年か。田所、俺はうまくやれているか?」

田所の手が止まる。

「どうなさいました、急に。」

俺の問いに、彼は手帳に落としていた視線を上げた。



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