風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
「えっ!?、安曇さん!」

不意に上原先輩の驚く声が耳に届いた。

それと同時に、誰かが勢い良く私のおでこから先輩の手を引き離す。

その手を掴んでいる人物。

え・・・。

「久しぶりだな、上原。元気でやってるか?」

いつもと変わらないト音で話しかける彼。


「うわっ!?、本当にお久しぶりです!!
異動以来ですね、安曇さんに会えなくて俺、本当に寂しかったです!!」

そうだ、

昔から先輩は安曇さんを崇拝していた。

安曇さんの異動が決まった時の先輩、ものすごい落ち込み様だったのを覚えてる。

だから先輩、安曇さんに会えて本当に嬉しそう。


って、そうじゃなくて、どうして彼がここにいるの??


「そんなに懐くな。今度飲みにでも連れてってやるから。
すまんが今時間がないんだ、彼女借りていくぞ。」

そう言って、彼は私を振り向いた。

あれ・・・、安曇さん怒ってる??


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