風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
最初に口を開いたのは私だった。
「どうして、あんなこと言うんですか!?」
私は隣を睨んだ。
だけど彼は、そんな私の言葉に全く動じることなく私を見据える。
そして、冷たく言った。
「君が約束の時間になっても現れないからだろう。
携帯に電話したが、全く繋がらない。だから事務所に行っただけだ。」
「だからって私の事、下の名前で呼ぶ必要ないじゃないですか!?」
あれじゃ、誰だって私と安曇さんに何かあるって疑う。
絶対上原先輩も変に思った。
「俺は何もおかしい事はしていない。それより君はどうなんだ?
なぜ簡単に他の男が触れるのを許す?」
それってどういう・・・。
「決めた筈だぞ、計画実行中は別の異性と怪しまれる行動は禁じると。」
もしかして、上原先輩の事・・・??
「あれは先輩が私を心配して行った行為で、決してやましいことは・・・。」
何も疑う余地なんて。
「なぜそう言い切れる?」
・・・・・・。