風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
4.本当の心

Act1.

「ねえ、今日の薫やっぱり変だよ。」

向いに座る美雪の言葉に私は顔を上げる。

「そんなことないよ~~?」

私は彼女のそんな言葉に明るく答えた。

「ほら、その上がったり下がったりするテンション。
そんな風に壊れた薫、私初めて見るんだけど。」

そうかな?

私は何も変わってないのに。

そう思いながらコップに注がれているお酒をチビチビ飲んだ。

「ほら、いつもの薫のキレはどこいったのよ。
普段なら私が何か言ったら、すぐに言い返してくるのに。」

そんなこと言ったって。

「・・・今日は美雪が意地悪だ。」

反論するより拗ねる方を取る私。

「嘘でしょ・・・。私本当に心配になってきたんだけど。」

先程まで怒っていた美雪の顔が、今度は心配そうな目に変わる。


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