風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
私は怒ってるだけだ、彼の態度に。

私が少し先輩に触れられただけであんなに怒ってたのに、自分は小泉さんにあんなにベタベタされて。

なのに、全然止めさせようともしないで成すがまま。

あなたの頭の中はどうなってるのよ?!


私は再びコップに入っているお酒を飲み干した。

「はいっ、次いで下さい。」

そして、空になったコップを先輩の前に突き出す。

「香坂‥‥本当にもう止めとけって。
お前相当酔ってるぞ。」

先輩はお酒のビンを私から遠ざけた。

「酔ってません、先輩まで私に意地悪しないで下さい。
じゃないと私、暴れだしますよ。」

・・・冗談だけど。

「お前な‥‥。」

私は無言で先輩を威圧した。

先輩は溜め息をついて、降参とばかりにお酒を私の前に置く。

初めから素直にそうしてれば良いのよ。


< 67 / 141 >

この作品をシェア

pagetop