風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
と、思ったのも束の間、今度は背後からその瓶を奪う手が。

今度は誰!!

私はその手の主を睨んだ。


そこにいたのは、私が腹を立てている張本人。

「香坂、飲みすぎだ。」

彼は静かに怒っていた。

でも、今日の私は怖気づいたりしない。

「私に構わないで下さい。」

沢山知ってる人がいる前で、私に話しかけないで。

でないと、すぐにでも感情をぶつけてしまいそうだから。

私は小さな声で、だけど強い口調で言い返した。

そして、彼に背を向ける。


やがて、遠ざかる足音。


ホッとした気持ち半分、がっかりしてる気持ち半分。

心の中で苦笑い。

私、こんなものかって思ってる。

この程度で引き下がっちゃうんだって。

本当、私って馬鹿だ。

だって自分でそう仕向けたんだから。

当たり前の結果なのに・・・。

現実を叩きつけられて、こんなに沈んでる。

彼にとって、私はその程度の存在・・・・・・。


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