風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~

Act3.

「あの、安曇さん?」


「・・・・・・。」


「・・・陽斗さん?」

「何だ?」

俺は隣の助手席にいる彼女に答える。

俺は最近、自分の中で1つのルールを決めた。

こうでもしないと、俺を彼女は名前で呼ぼうとしないから。

だから、苗字で呼ばれても応えてやらない。

最近やっと、彼女も学習してきた様だ。


「・・・毎日一緒に行かないとダメですか?」

おいおい、勘弁してくれ。

そんなに俺と一緒にいるのが嫌なのか?

若干傷つく俺。

「同じ場所に通勤するのに、別々に行く必要がどこにある?」

もう社内にはバレてるんだから、今更だろう。

だから却下。


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