LOTUS~あなたに出会えたから~
その赤い花びらの上には、私の身体から力なくぶら下がる腕。

その手首からは、真っ赤なものが流れ落ち、次から次へ止らずに足下を赤く染めていく。

何か取り返しのつかないような深い罪悪感が胸を埋めていく感覚。

耐えきれずに、思わずしゃがみ込んだ。

このまま死ぬかもしれない、と思った時、目の前の池に浮かぶハスの花が私の目に飛び込んできた。
散り浮かぶ桜の花びらの隙間に、力強く咲く白いハスの花。

私はそのハスに手をのばした。

もう少しで届く、良かった私は大丈夫・・・





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