おっさんとは呼ばせない!
おにいの目の前には、四角い箱。


…これってもしかして。


「ゆかりちゃんにプロポーズするの?」


私は目を輝かせた。


「そう、思ってたけど…俺みたいなおっさんじゃ……」


私は笑って、おにいの肩を、ポン、と叩いた。


「おっさんでも、じいちゃんでも。おにいにプロポーズされるんだったら、私なら受けちゃうけどね。」


「……いよ…」


「ゆかりちゃんも、同じだと思うな。」


おにいは、少し俯いたあと、顔を上げた。


「…うん、頑張るよ。ありがとう、いよ。」


私は頷いて、おにいの部屋を出た。


「おにいが結婚したら…寂しいなぁ。」


私はそう、言葉を漏らした。
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