センセイと一緒(番外) ～feel.Izumi～

魔境(?)

ある日の放課後。

和泉は携帯を片手に、中庭の植え込みの奥でごろんと横になっていた。

今日はこれから鈴菜と駅前でショッピングをして帰る予定だ。

鈴菜は学級委員の仕事があるらしく、30分ほど遅れるとさっきメールが入った。


「……相変わらず真面目だよね、鈴は」


和泉は鈴菜からのメールをもう一度確認し、ぱたんと携帯を閉じた。

ちなみに今日は二人で新しくできたスイーツショップに行く予定だ。

和泉は鞄からスイーツショップのチラシを出し、広げた。


「生揚げドーナツ、ねぇ……」


和泉はチラシを眺め、呟くように言った。

『生』で、しかも『揚げ』って……

あまり想像できないが、新作は一度試してみないと気が済まない。

ちなみにこの手のものを探してくるのはいつも和泉で、鈴菜はそれに毎回付き合わされている格好だ。