センセイと一緒(番外) ~feel.Izumi~
柊史は不思議そうに眉を上げる。
和泉は兄の表情に、なぜか心の奥がひやっとするのを感じた。
そして続いた柊史の言葉に、ぴしっと背筋を固まらせた。
「脅した覚えはないがな。オレが鈴に言った言葉は全部本気だ」
「……」
和泉は頭がくらっとするのを感じた。
……全部本気で言ってたのだとしたら猶更まずい。
和泉はふるふると首を振りながら口を開いた。
「ね、兄貴、わかってる?……鈴に言ったことをマジで実行したら、それ、全部犯罪になるから」
「……」
「あ、いや、普通に合意の上で結婚するならいいんだけどさ。未成年者略取は犯罪だからね?……ってか、兄貴……」
と和泉が言いかけたとき。
渡り廊下の方から、見覚えのある人影がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。