アホ毛のアン【短編】
物陰で待つ事しばし、ほどなくいかにも『見回りです!』と言わんばかりの二人組がやって来た。


無駄口をたたかず辺りに油断なく視線を這わせつつこちらに近づいて来る。


アンは隠れている物陰に一体化するように更に気配を消し、見回りが近づくのを待った。


そして彼らがアンに気付かずアンの脇を通過した瞬間、音もなく背後へ近寄り一人に当て身を喰らわせ意識を飛ばす。


崩れ落ちるソイツを視線から外しつつ、さらにもう一人に狙いを定めると……


マズイ!


素早く事態を把握したヤツは仲間を呼ぶ為にホイッスルをくわえようとしている!


そうはさせない!


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