イジワルだけど大好き!!
*健人Side*


来た。
この時間が...。HRが終わった。

『優衣、帰るぞ』

いつもなら、優衣の席まで行って言うセリフ。

当たり前だった事が今ではナイ。
いつもなら、一緒に帰る道も虚しい。2人でならんで帰る道が悲しい。
景色が違う。

優衣がいるから、楽しかった帰り道。
優衣がいるから、退屈しなかった帰り道。
優衣がいるから...俺は...。
好きな人ってこんなに日常を変えるんだな...。俺、優衣がいないと無理だよ...。

「健~人」

優衣?
期待をしたが、優衣ではなかった。ま、期待しても意味はないけど。

「亜衣さん」
「健人くん、私似てた?」
「はい...」
「健人くん、話があるんだけどいいかな?」
「あ、はい」
「単刀直入に聞く。優衣の事、まだ好きでしょ」
「...はい」
「やっぱりねぇ」
「え?」
「あんたたち、今でも両思いなんだよ」
「...違います」
「優衣ね、夜泣いてるんだ」
「え」
「聞こえるんだよ。それに、起きたときは目がいっつも腫れてて」
「そ...ですか」
「健人くん、頑張ってね☆じゃっ!」
「...はぁ...」

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