パステルカラーの恋模様 2
Chapter 1
春が来た!
チュン、チュン。
だんだんと寒さが柔らいできた3月。
桜も芽吹き始め、小鳥が歌うように鳴いている。
こうなったらもう、冬はバトンタッチして退散するというもの。
春です!
「美園~!」
「あっ、啓ちゃん!」
そして…あたし達の心もすっかり春です。
今日は3年生の卒業式でした。
在校生は、卒業式の次の日から春休み。
今日はうきうき気分で、放課後啓ちゃんと待ち合わせ。
啓ちゃんは、満面の笑みでこっちに駆けてきた。
「待った?」
「ううん、全然!」
いやん、やっぱり可愛い!
色白で童顔。
ふわふわの栗色の髪。
ふわふわとろけそうな、まるでマシュマロみたいなこの可愛い男の子が、あたしの彼氏、啓ちゃん。
付き合うまで本当に色んな事があったけど、でも今こうして、同じ気持ちになる事ができた。
あの時はほんと、初めて奇跡ってものを肌で感じたような気がしたんだ。
ああ、神様って本当にいるのかも!なんて。