パステルカラーの恋模様 2
「送ってくよ、バス停まで」
「え、いいよ!いいよ!すぐ近くだし」
「夜道危ないから、だめ」
啓ちゃんが、ハイとあたしにブレザーを持ってきてくれた。
そして、自分も羽織って首を回し、コキコキ鳴らした。
「…ありがとう」
「う」
何か照れくさいな。
本当は何か“女の子”として扱われてる感じがして、すごく嬉しい。
そんであたしを送ってくれる啓ちゃんも、男の子っていうか、彼氏って感じで、すごい照れくさい。
鞄を急いで持って、あたし達は部屋を出た。
夜道をぽつぽつ歩く。
やっぱり3月とはいえ、夜は少し冷え込む。
歩いていると、啓ちゃんが思いついたように、「あっ」と呟いた。
「美園、明日も空いてる?」
「え?うん!てか、春休みは明日香と遊ぶ時以外、ずっとヒマだよ」
「よかった!あのね、三年生になったら資料とか増えんじゃん?だから、本棚がいっぱいになっちゃうから、買いに行きたいんだ。家具屋さん」
「全然いいよ。この辺に家具屋さんってあったっけ?」
「ないから、電車乗って行こう」
「うん!」