パステルカラーの恋模様 2
妄想で新婚さん?
梅の香り、桜の香り……甘い春の香りがいい感じ。
何気にあたしは春生まれだったりする。
あたしは待ち合わせの駅前の時計台で、啓ちゃんの事を待っていた。
通り過ぎていく人々のファッションも心なし色が明るくなって、春らしい。
今日は楽しみすぎて早起きしすぎちゃったなぁ~なんて、一人でニヤけていると、「美園~」と声が聞こえた。
あたしは耳をダンボにする。
向こうから啓ちゃんが歩いてくるのが見えた。
あ、啓ちゃん、今日は緑色のジャージみたいなの着てる。
あたしは嬉しくて、思わず大きく手を振った。
「啓ちゃーん!」
しかし…。
ん?
なぜか近づいてくる啓ちゃんの顔は険しい。
ずんずん近づく度に、啓ちゃんの顔が険しく…!?
えっ?えぇ?!
「ふえーっくしょい!」
「うわぁ!」
「…あ~…」
びっ…くりしたぁ…。
啓ちゃんは前につんのめりながら、大きくくしゃみをした。
あたしは目をパチクリ。
啓ちゃんは鼻をかいて、へらって笑って「おはよう」って言った。