パステルカラーの恋模様 2
「啓ちゃん…大丈夫?今日、花粉すごそう…じゃない?」
恐る恐る聞くと、啓ちゃんは歩き出しながら、へらへら笑って、頼りなく「だいどーぶ、だいどーぶ(大丈夫)」と返した。
あたしは、大丈夫じゃなくない?と、ツッコミそうになりながらも前を歩く啓ちゃんの所へ駆けた。
「今日、いいのあるといいねぇ」
「うん。俺、家具とか雑貨とか見るの好きなんだよね」
「あ、そうなんだ。あたしも好きだよ。何か、和むよね」
「うん。一日見てても飽きないよ」
「あ、もしかして啓ちゃん、照明器具とかにウルサイ人でしょ?」
啓ちゃんはあたしを指差して、「あ、分かった?」とおどけて笑った。
啓ちゃんの部屋の雑貨オシャレだもんね。
そんな他愛もない話をしながら階段を下りていると、急に電車のベルが鳴った。
プルルルー
「あっ!電車出ちゃう!」
「急げ!」
わっ。
啓ちゃんがあたしの手を取った。
そして、ギリギリ電車に乗り込むことに成功。