パステルカラーの恋模様 2
「ねぇ、美園ってやっぱ文系?」
「え?あー、うん。数学できないからね」
「そっか。うん。俺も文系」
あら、意外。
啓ちゃんは理数かと思ってた。
「啓ちゃんって、将来何になりたいの?」
何気にずっと聞きたかった事を、さらっと聞いてみた。
すると啓ちゃんは、にやっと笑って「え~」とじらした。
あたしは慌てて「知りたい!」と繰り返した。
「んー、どうしようかなぁ。将来の夢とか人に言うの、ちょっと恥ずかしくない?」
「えぇ~いいじゃん!教えてよ~」
わくわく。
啓ちゃんはテキストで口元を隠して、「じゃあ…」と呟いた。
「あんね、俺…幼稚園の先生になりたいんだ」
それだけ言うと、啓ちゃんは恥ずかしそうにテキストですっぽり顔を隠した。
何気に耳まで赤い。
それを聞いたあたしは大興奮!
啓ちゃんが幼稚園の先生?!
何かイメージにぴったり。
素敵!!
「大丈夫だよ!なれるよ!啓ちゃんなら!」
「あ、ありが、と…う…」
やっぱり恥ずかしそうな啓ちゃん。