パステルカラーの恋模様 2

「今は男の先生も増えてきてるもんね。啓ちゃん、合ってるよ。すごく!」

「そ、そう?」

「うん!きっと人気な先生になれるよ」



人気…と言えば、子供達はもちろん、送り迎えにくるお母様たちの目の保養になってそう、啓ちゃん(笑)



ぐふふ、とあたしが笑うと、啓ちゃんはべしっとテキストであたしの頭を叩いて、「笑うし…」と膨れた。

あたしは「ごめん、ごめん」とおどけて返した。




啓ちゃん、ちゃんと将来の事考えてんだなぁ。

それだけ明確な夢があれば、それに向かって一直線だね。



はぁ、それに比べてあたしは……。




「美園は?」

「あ、うん…。あたしは…まだよく決まってないんだ。やばいよね、もうちゃんと決めていかなきゃいけない時期なのに…」


「大丈夫。まだ時間あるし、ゆっくり考えたらいいよ。焦ることない」





思わずきょとんとするあたし。

何かやっぱ今日の啓ちゃん、発言が大人だ。



あたしはそうやって励まされて、元気付けられて、嬉しくて、大きく「うん」と頷いた。




啓ちゃん、何か一休さんみたい。

何気ない言葉で、人を癒しちゃうもんね。

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