パステルカラーの恋模様 2
本屋を出て、駅まで近道になる裏通りを歩いた。
あたしが啓ちゃんの右側を歩いていると、
啓ちゃんが急に首を傾げて「何か変」と呟いた。
「何が?」
すると啓ちゃん。
しばらく考えた後、あたしの肩を両手でつかんで、自分の左側へ引っ張った。
おととと、となるあたし。
そして、啓ちゃんは納得したように笑った。
「あ、こっちの方がしっくり来る!」
「そ、そうなの?」
「うん。何か、美園が左側にいないと落ち着かないんだよね」
「ポジションあるんだ(笑)」
「うん!あ、そしたら、俺がツッコミで、美園ボケ?」
「啓ちゃんツッコめるの?(笑)」
あたしがそう言うと、啓ちゃんは咳払いをしてから、ツッコもうと試みる。
「……何でやねーん!びしっ」
「びしって自分で言うんだ(笑)」
「あれ…?(笑)」
何かだんだん変なテンションになってきた二人。
ない?
何か言ってる事グデングデンになって、何言っても何してもツボで、バカみたいに笑い転げちゃうような時。
まさにあたし達は、今それだ。
あたし達がバカみたいに騒いでいると、曲がり角の所で、ちょうど帰りの幼稚園児たちと合流のような形になった。
同じ方向に、横に並んで歩いた。