パステルカラーの恋模様 2
「うわぁ、可愛いね、啓ちゃん」
「うん」
とにかく小さくてお人形さんみたいだ。
黄色い帽子、水色の園服。チューリップの名札。
全部とにかくミニチュアだ。
本当、愛くるしいというか、何ともいえない優しい気持ちになるなぁ。
あたし達が子供達を見ていると、子供達があたし達に気づいて話しかけてきた。
やんちゃそうな、男の子が啓ちゃんの事をじっと見る。
「ん?」と笑って腰をかがめる啓ちゃん。
さすが幼稚園の先生志望。
子供の目線と合わせて話すの大事とか、どっかで聞いた事ある。
それにしても、子供は残酷って言葉があるけど、本当にそうだね。
男の子は何の悪気もなく、ズバッと言い放った。
「お兄ちゃん、男のくせに女みたいな顔してるー」
“女みたいな顔してるー…顔してるー…てるー…るー…るー…”
啓ちゃんの背景に、『ガーン』っていうプロットが出ているような気がした。
けけ、け、啓ちゃん。
ど、どんまい!
と思いきや、今度はふわふわの髪をサクランボのゴムで2つに結んでいる可愛い女の子が、顔をぽっとピンクに染めて、もじもじと啓ちゃんを見て呟いた。