パステルカラーの恋模様 2
「…王子しゃま。しゅき」
そして、あたしを見て、「ふっ」と鼻で笑った。
なっなっ、何よ、このクソガキ~!!
明らかに勝ったって顔されてしまった…。
啓ちゃんは嬉しそうに後ろ頭をさすって、「ありがとう」と笑った。
うう、あたし、幼稚園児相手にも焼もち焼くなんて…お、大人気な~!
園児たちを連れて先頭で歩いていた先生も、あたし達に気づいて、笑ってペコっとお辞儀をしてくれた。
あたし達も慌ててお辞儀返し。
「啓ちゃん、ますます夢叶えたくなった?」
そう言うと、啓ちゃんは希望の溢れた瞳で、「うん!」と笑った。
「ねぇ、あのさ、お姉ちゃんたちって、こいびとどうしなの?」
「えっ?」
いきなり子供たちに聞かれて、つい顔を赤くする。
すると啓ちゃんがにこぉっと笑って、「そうだよ」と答えた。
なぜか、なぜか子供達は「いーなー」を連発した。
まだ君たちは、10年早いかななんて思いつつも、子供達の将来を想像したりした。
この子たちもいつか高校生になって、恋をしたりするんだろうな。
でも今は、無邪気な子供時代を思う存分楽しんでおくれ!そんなメッセージを密かに送った。
しかし、その時だ。
グラッ。