パステルカラーの恋模様 2
すると、ガンッと音がした。
悲鳴は……聞こえない。
目を開けると、啓ちゃんがとっさにその看板が倒れるのを食い止めていた。
「…よかっ…たぁ…」
腰が抜けるかと思った。
啓ちゃんも、ふうと一安心した様子。
地震はいつの間にか、おさまっていた。
子供達は慌てて、その場から離れる。
啓ちゃんは看板をどかし、また元の場所へ立てかけた。
先生が慌てて啓ちゃんに駆け寄った。
「本当に、ありがとうございました!危ない所を助けていただいて…」
何度もぺこぺこ頭を下げる先生に、啓ちゃんは何度も「いえいえ」と笑って繰り返した。
あたしは子供達を見た。
相変わらず状況は読めてないみたいだけど…でも、無事でよかった。
あたしが笑いかけると、子供達はにんっと無邪気に笑った。
駅についたので、あたし達は子供達と別れた。