パステルカラーの恋模様 2
―…
死闘の末、啓ちゃんの勝利!
啓太WIN!
見事な手さばきでございました。
「ありがとう、啓ちゃん!助かったよ~」
啓ちゃんはホッとしたように、「いーえ」と笑った。
そして、辺りをきょろきょろ見渡した。
「美園ん家、来るの初めてだね」
「だよね。いつも啓ちゃん家だもんね。あっ、とりあえず上がって!」
「うん。お邪魔しま~す」
ペコっとお辞儀をして、スニーカーを脱いで、きちんと揃える啓ちゃん。
ちょっと緊張気味だ。
何か歩き方がそわそわしてるもん(笑)
とりあえずお茶でもと思って適当に座ってって言ったんだけど、やっぱりそわそわ。
「今家に誰もいないの?」
「うん!お母さん友達とお茶会だし、お父さんも仕事だし、弟は友達と遊びに行ったし」
「あ、そうなんだ」
ちょっと安心したのか、啓ちゃんはちょこんっと白いソファーに腰掛けた。
あたしは棚から紅茶を探り、レーズンのクッキーをお皿に入れた。