パステルカラーの恋模様 2
「ていうか、美園、弟いたんだ?!」
「あ、言ってなかったっけ?」
「うん。初耳。いいなぁ、弟!」
「啓ちゃん一人っ子だもんねぇ」
「うん。弟いたらキャッチボールとかサッカーとかしたいな!」
いやん、かわいい夢!
嬉しそうに夢見て笑っている啓ちゃんに、あたしはまたキュン。
紅茶とお菓子を持って、ソファーの前に置いてあるガラスのテーブルの上に置き、啓ちゃんの隣に腰掛けた。
「今日ね、すごい変な夢みたよ」
「ん?何何?!」
あたしはわくわくして、耳を済ませる。
啓ちゃんはご丁寧にジェスチャーつきで説明してくれた。
「俺と美園がね、海で遊んでるのね。なぜか他のお客さんは誰もいなくて」
「うん」
「そしたらね、急に向こうから変な物体が近寄ってくるわけよ」
「うんうん!」
「BGMでジョーズが流れてね。俺らは逃げようとするんだけど、向こうの方が早いのね」
啓ちゃんは大興奮!
「で、追いつかれて、うわ~!ってなったら……!」
「なったら?!」
「それが鮫っちだったんだよ!」
えぇーっ?!
啓ちゃんはあたしの肩を揺らして、
「すっごい怖かったんだよ~!」と泣きまねをした。
あたしはそうかい、そうかい…と適当になだめた。
「お茶とか持って、部屋行こっか?」
あたしはそう誘った。